Life & Culture

生のアボリジニー音楽を聞こう!

アウトバックセンター外観
アウトバックセンターの外観です.
(写真をクリックすると大きくなります)

オーストラリアの先住民族と言えばアボリジニーですが、シドニーなどの都会だけを見ていると彼らの事を知る機会が少ないと思いませんか?
路上パフォーマンスでチラッと見るだけでは分からない彼らの魅力を発見できる場所がありました。ダーリングハーバーにある「アウトバックセンター」では毎日午後一時、三時、五時に無料でディジュリドゥー(アボリジニーの笛のような楽器)の演奏を聞く事ができます。

一歩入るとお土産物屋さんかな?と思ってしまうような雰囲気ですが、私はスタッフから「5時から奥で演奏があるから聞いて行って」と案内を受けて、ライブがある事を教えてもらえました。もともとアボリジニーに興味がなく、無料だとたいしたことないのだろうと思ったのですが、夫が見たがったのとちょうど開演時間が近かったのでついでに見ることにしました。

ショー会場
ショーが行われる前の会場の様子.

中は座席が10列くらいの小さな映画館といった感じ。まばらな客席も開演時間が迫るにつれて徐々に埋まってきました。一人の若いスタッフがすたすたと入ってきたかと思うといきなりマイクを持ち、彼が演奏すると言うのですがどう見てもアボリジニーには見えない…。でも話を聞いていると自分の祖父がアボリジニーで祖父から演奏を学んだ事とか、自分の家族やここで演奏するに至るまでのいきさつなどを話してくれました。
若いのに伝統を受け継いでエライな、などと思いはじめているうちに照明が落とされいよいよ始まります。

薄暗い中で後ろのスクリーンにアウトバック(オーストラリアの内陸部)の大自然の映像が映し出され、それに合わせてディジュリドゥーの演奏が始まりました。
生で聞く迫力は私が想像していたものを超えていました。それは他の観光客も同じらしく、写真を撮る人続出。(途中でフラッシュ禁止との説明があるので、あとから入って来る人は要注意!)私の心にもモダンミュージックとともに響くディジュリドゥーはしみ込んできました。
さらに解説を聞いて、演奏しながら手で鳥やディンゴ、ワニの動きなどをしつつその動きをディジュリドゥーの音色に変えて吹いているのを知った時、それまで感じなかった音の景色がパーッと見えてきました。本当にその動物達が自然の中で動いている、そんなストーリーを肌で感じられました。
巧みな演奏とパフォーマンス、雄大なアウトバックの映像とが一体となって会場をつつみ、途中からは涙が出そうなくらい感動している自分がいました。

さらに三曲の演奏の合間には、何でも質問できる時間もとってくれますのでアボリジニーやディジュリドゥー、演奏者のバックグラウンドなど疑問に思っている点を聞いてさらに知識を深める事もできます。(もちろん全部英語ですが。)英語に自信がない人は入口に簡単な日本語の解説プリントがあるので、先に読んでおくと演奏をより楽しめると思います。
私のように食わず嫌いで損をしている人がいたら、ぜひ一度、本物のアボリジニーの文化に触れてみて下さい!彼らへの敬意や理解が深まりますし、アウトバックへ旅行する予定があれば、その旅が何倍も味わい深くなると思いますよ。


筆者:江川園美

シドニー在住。
イギリス留学、ニュージーランドでのワーキングホリデーの経験はあるが、「海外はもういいかな」と思っていた矢先に結婚。夫の希望で三度目の海外滞在となる。
実は興味の薄かったオーストラリアだが、せっかく一年いられるので目下見所を探しながら夫婦でワーホリ中。滞在中にフルーツピッキングやラウンドを通してオーストラリア大陸の大自然に触れて感動体験をするのが目標!